2024.10.15up たまたま身に負った病気やけがのせいで失職に追い込まれた。再就職は当面無理であり、療養生活を続けなければならず、元々経済的余裕はあまりなかったのに、新たに遠方の病院への通院費が派生した。…こうした不安な状況でも生活を支えてくれる国の基本的制度の一つが障害年金のはずですが、現実には必ずしもそうなっていません。
眼瞼痙攣が重症化して自力で瞼を開けられない事実上の盲目状態になった方、重い羞明により一日中暗幕を張った暗闇の中でしか生活できない方でさえ、現行制度下では基本的に2級以上の障害年金を受給できません。国保の場合であれば自動的に不支給となります。
また、薬剤の副作用・離脱症状等による強い痛みや感覚障害を併発しているジストニア・ジスキネジア患者の場合も、見た目の不随意運動が軽度だと、障害年金の受給は難しくなりがちです。
(※ついでに言えば、PMDAの障害年金を受けている薬剤性のジストニア・ジスキネジア患者も年間3人程度という微々たる人数であり、PMDAの制度にもまた別の大きな欠陥があります。)
こうした理不尽な結果を生み出している根本原因は、身体の機能障害の程度を医学的な測定値に基づいて等級分類した障害認定基準にあります。目の障害で言えば、「視力」や「視野」のように測定可能な機能障害が優先的対象とされ、それ以外の障害(感覚障害や内部障害の一部など)は二次的な扱いになります。
「医学モデル」に基づいて組み立てられた制度のため、生活や就労に本当に困っている一部の障害者が恩恵を受けられない現実があります。
こうした不合理な面を持つ障害年金制度を、「医学モデル」ではなく、本来の生活・就労上の困難さの程度に基づいて救済する「社会モデル」に転換すべきだという意見は以前からありました。
またこの他にも、「初診日」証明の困難なケースがあることや、書類だけで審査する体制など、改善すべき欠陥が数多く指摘されてきました。
このたび、こうした制度改革を待ったなしの課題と見なして今年3月に国に提言書を提出した障害年金法研究会所属の弁護士や社労士の先生方が、関係する議員や医師、当事者と一緒にこの問題を取り上げ、広く社会に訴えるため、10月31日(木)12~14時にシンポジウムを開催します。
当会もお世話になっている安部敬太社労士が基調報告され、眼瞼痙攣・眼球使用困難症をご専門とする若倉雅登先生も加わってパネルディスカッションが行われます。会場参加(参議院議員会館 ← 当初の衆議院第二議員会館から変更になりました)とオンライン参加のどちらも可能です。
申し込み方法など詳細については下のボタンを押してください。
この問題に関心を持たれた患者さんとご家族、支援者、関係者の皆さん、是非とも参加をご検討ください。また拡散にご協力ください。
よろしくお願い致します🍀